ポール・ウェラー@中野サンプラザ

ポール・ウェラーのライブに行ってきた。本人はとても楽しそうに伸び伸びと演奏していたが、私の感想は結構複雑だ。今はまた8000円払って行きたいとは思えない。

メンバーは最近固定している例の4人のみ。ここ2作の音から、ひょっとしたらキーボードやホーン・セクションを同行してくれるかな?なんて期待していたのだが・・・。それで音のほうは、ギターがギンギンのWild WoodからHeavy Soulの頃の音。はっきり言ってうるさい。新作からはほとんど全曲やったと思うが(これも飽きた)、その他はまさにこの時期を中心に選曲されていた。2年前の来日では半分の曲がジャムとスタイル・カウンシル時代から選ばれていたので、今回もそういうライブを期待していたが、完全に片思いだった。悲し・・・(涙)。

今晩のライブでは、1曲目のPaper Smile(とても良かった!)に続き、The Gift(ジャム)からRunning On The Spotをやってくれた。意外な選曲だが大好きな曲。このスタートは最高だった。ここから新作のSavageまでの前半はまぁ良かった。

本人としてはハイライトのつもりだったと思うStanly Roadの2曲目〜3曲目のメドレーはうるさいし、くどいし、頭が(耳も)痛くなった。一旦このモードい入ると、途中でいくらLong Hot Summerをやってくれても疲れが回復しない。花粉症で体調が悪いのも辛い。

最期はChanging Man。大いに盛り上がった。ちなみに、斜め前に座っていた渋谷陽一氏はアンコールを待たずにここで退席。私も退席したい気分だったが、アンコールでヒット・パレードを期待して拍手を続けた。

アンコールの曲は結構多かった。途中で、スティーブ・ホワイトが誕生日だと紹介される。その彼のリクエストだとかで、Setting Sons(ジャム)のThick As Thievesが演奏された。良い! そして最終曲はTown Called Malice。うーん。これはもう予定調和かな。

今晩つくづく思ったこと。ジャムの曲の方がほかのどの曲よりも良いのだ。なぜポール・ウェラーがジャムの亡霊と戦い続けなければいけないのか。それは自分でもジャム時代(からせいぜいスタイル・カウンシルの1stアルバムくらいまでかな?)が自己の創造性のピークだったことをよく理解しているからだろう。これは凄く辛いことだけど、今の自分がベストでありたいと強く思うから彼は創作活動を続けられる。それが、あまたの凡人とポール・ウェラーの違いであり、ファンにアルバムもライブも期待させることができるのだ。

さて、これからのポール・ウェラーはどうなるだろう。そろそろ若いアーティストの中に夢中になれそうな人を探さなければいけないかな?と私はようやく思い始めた。今もジャムに感じることができるような、豊かな活力と創造性を求めて。

Setting Sons